2013年2月3日日曜日

横浜美術館『ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家』初日に行ってきました(開会式も)


先日、横浜美術館で『ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家』をみてきました。

ロバート・キャパ(Robert Capa)といえば、世界で最も有名な報道写真家の一人。特に下の2枚の写真、スペイン内戦の「崩れ落ちる兵士」ノルマンディー上陸作戦は有名です。


ロバート・キャパとゲルダ・タロー
そのキャパですが、もともと偽名。ハンガリー生まれのフリードマン・エンドレ・エルネー(Friedmann Endre Ernő)が仕事をするのに便利な名前として米国人らしい名前を仕事に使ったのだとか。さらに。当初一人の人物だけを表す名前ではなかったのです。


そこで登場するのが展覧会のタイトルにもなる「ゲルダ・タロー(Gerda Taro)」という女性。キャパの恋人でもあり同僚でもあったタローは、フリードマンと共にスペイン内戦などで撮影した写真をキャパ名義で雑誌に掲載しています。(のちにゲルダ・タローで。こちらも偽名で本名ゲルタ・ポホイル。タローは岡本太郎から取ったとか)ゲルダ・タロー - Wikipedia

と前置きが長くなったのですが、写真展に。


キャパ/タロー展の開会式
当日は『キャパ/タロー展』初日で、15時より開会式が。

横浜美術館長のあいさつのあとに紹介されたのが、ロバート・キャパの弟であるコーネル・キャパ開設のICP、国際写真センターの中の人。キャパとタローの関係性についての話などが聴けました。



続いて、ロバート・キャパらが結成した『マグナム・フォト』東京支社の中の人。その設立理由となる当時の状況などが話されました。当時、カメラマンの写真は新聞や雑誌サイドに勝手にトリミングされたりすることが多くあったことが理由の一つだそうです。


他にも学芸員による説明など、非常に写真展をみるうえで参考になる話でとても有意義だったと思います。

さてさて実際の写真展の入り口はこんな感じ。


キャパの写真193点、女性初の報道写真家といわれるゲルダ・タローの写真83点が公開されています。タローとキャパの視点、お互いが与えた影響など非常に興味深いものがありました。カフェでの休憩を挟んで2時間半くらいいたでしょうか。

ロバート・キャパによる有名な手記『ちょっとピンぼけ』も読んでたのですが、新しく知ることもあって非常にいい写真展でした。ロバート・キャパ - Wikipedia


3月24日(日)まで横浜美術館でやってるようなので興味ある人は是非。
» ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家 | 横浜美術館



NHKスペシャルでキャパの写真の謎
そして2/3(日)のNHKスペシャルでキャパの写真についての特集が。

NHKスペシャル|沢木耕太郎 推理ドキュメント運命の一枚~"戦場"写真 最大の謎に挑む~

戦争報道の歴史の中で、最大の謎と言われる一枚の写真がある。「最も偉大な戦場カメラマン」と称されるロバート・キャパ(1913-54)が、スペイン内 戦のさなかに撮った「崩れ落ちる兵士」である。銃弾によって身体を撃ち抜かれた兵士の「死の瞬間」を捉えたとされるこの写真は、フォトジャーナリズムの歴 史を変えた傑作とされ、それまで無名だったキャパを時代の寵児に押し上げた。だが、この「奇跡の一枚」は、真贋論争が絶えない「謎の一枚」でもあった。ネ ガは勿論、オリジナルプリントもキャプションも失われており、キャパ自身も詳細について確かなことは何も語らず、いったい誰が、いつ、どこで撃たれたのか 全く不明なのだ。

これは面白そう。これから見ます。