2013年1月24日木曜日

驚異シリーズ第3作はアップルストアの秘密に迫る、書籍『アップル 驚異のエクスペリエンス』を読みました


1月24日発売の書籍『アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則』を日経BP社からいただき読了しました。


世界で店舗面積に対して、最も効率的に売上げを上げている店舗をご存じでしょうか? そう、アップルストアです。

でも、アップルが実店舗をオープンすると発表した2001年のマスコミの反応はこうだったようです。
「残念だね、スティーブ。アップルストアがダメな理由を教えてあげよう」     ービジネスウィーク誌

「アップルの問題は、クラッカーにチーズで満足している世界にキャビアを売って成長しようと考えている点だ」      ージョセフ・グラツィアーノ

「2年もすればアップルストアの明かりは消え、膨大な損失と痛みで後悔のほぞをかむだろう」     ーデイビッド・ゴールドスタイン

アップルストアという実店舗が最初にオープンしたのは2001年5月。まだアップル復活の狼煙となるiPodが発表される前のことで、Macのシェアが5%程度だったころの話です。
Special Event 2001 "Hint: It's not a Mac" : iPod 発表 | Steve Jobs museum

そして、現在。

アップルストアの床面積当たりの売上げは全米トップで、それも2位のティファニーの2倍、3位コーチの3倍以上もあることがよく話題にのぼります。

平均の17倍以上の収益、アップルは小売業でも圧倒的に成功している : ギズモード・ジャパン

もちろん iPod、iPhone や iPad などの人気もあるのですが、それだけではほぼ定価で販売するアップルストアが、割引きをしてアップル製品を売る家電量販店と比べて圧倒的な売上げをあげるのは疑問ではないでしょうか。

*     *     *

そういった疑問に答えたのが本書『アップル 驚異のエクスペリエンス ―顧客を大ファンに変える「アップルストア」の法則』です。

  • アップルストアの店員はなぜ青いシャツなのか
  • ノートパソコンのディスプレイが90度なのは何故か

本書ではこういう疑問に答えながら、3部にわけて説明しています。
第1部では、従業員、教育研修、社内コミュニケーションを中心に
第2部では、顧客を感動させる具体的なテクニック
第3部では、自分自身や自分のブランド、製品を提示する環境について

また多くの会社の事例をあげています。フォーシーズンズ、Fedex、リッツ・カールトン、アウトバックステーキ、ディズニー、スターバックス、テスラなどなど。


本書にも書かれているように、決して店舗販売についての事例や考え方だけを扱った書籍ではありません。井口耕二氏も訳者あとがきに書いているように、著者ガロ氏自身も「自分でビジネスをしている人、アントレプレナー、マネージャー、CEO、弁護士、会計士、医師、営業のプロ、部門長など、サービスや製品の販売に関係する人、全員」に役立つと書いています。

また解説では、Evernote日本法人会長である外村仁氏が日本のすばらしい「おもてなし」のこころを賞賛しつつ日本の将来へのエールを送っていました。Apple Store自体にはあまり興味がないという人は解説から先に読んでみても面白そうです。


最後に
今回この本を読んでアップルストアに関していろいろ調べつつ読んでみました。いろいろ新しい発見もあったので近々記事にできればと思います。

またアップルストアに関しては、Mac Fan 2012年2月号に非常に素晴らしい記事がありました。併せて読まれてみてはいかがでしょうか。特集だけ購入できるアプリもあります。

Mac Fan 2月号の特集『Apple Storeの正体』がやっぱり凄い件 | トブ iPhone


 

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