2014年12月19日金曜日

ザハ・ハディド展:新国立競技場をデザインした女性建築家の個展に行ってきた


新宿・東京オペラシティで『ザハ・ハディド(Zaha Hadid)』展を観てきました。日本初の大規模個展とのこと。

『アンビルトの女王』ザハ・ハディド
ザハ・ハディドといえば、2012年11月に新国立競技場のコンクールで最優秀賞、その後、デザインに対して、コスト、構造、サイズなど批判が出て話題になりました。

Zaha Hadid - 新国立競技場
新国立競技場|NEW NATIONAL STADIUM JAPAN でのコンクール案
英国の建築スクール卒業3年後の1980年には独立。1983年に香港のコンペで優勝し若くして有名になるも、1994年まで実際に建築にいたることがなかったことから「アンビルトの女王」との異名も。2004年に建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を女性として初めて受賞

Heydar Aliyev Center by Zaha Hadid – Azerbaijan
代表作「ヘイダル・アリエフ文化センター」
新国立競技場は別にしても、今最も注目を集める建築家の一人。モダニズム建築とは対称的に独特なデザインのザハ。今回は、そのザハ建築を知るよい機会でした。



東京オペラシティー アートギャラリー入口。

以下、展覧会画像は展覧会公式サイトより。

最初の展示室。「1. アンビルトの時代/日本との関わり」から。

中央の不思議なイスは、ザハの初めての作品で札幌「ムーンスーン・レストラン」で制作されたものの復元。他に「 麻布十番のビル」「富ヶ谷のビル」など実現しなかった国内でのデッサンや模型の展示が。



「2. 三次元を操る/形にこめられた意志」

手前から「BMW中央ビル」「MAXXI 国立 21 世紀美術館」などの模型。左にはヴィトラ消防署、アクアティクス・センター、オーパス・タワーのデザインが。

このあたりまではフ〜ンって感じ。


最初の部屋で一番印象的だったのがコレ。

作品は「北京商業中心区コア・エリア」のためのリサーチ用造形。横に4分ほどのビデオがあり、デザインの過程、コンセプトがよく分かります。

CBD core area


そして2つ目の展示室に。
「3. シームレスな思考/プロダクトから都市設計まで」

左には骨格のようなスタディー。上には鏡があって、鳥の骨のようにも。
中央奥にはランプ類。右にはテーブルなど。


左には大画面で動画が。この動画だけで30分超。これが実に面白い。ザハ・ハディドがコンペに強いのも納得でした。

動画に関しては、ザハ・ハディドの公式サイトにかなり収録されています。



さらに画像左手前にあるのが、ザハによるプロダクト類。花瓶、カトラリー、シューズ、アクセサリなどが。どれもザハらしい奇抜なデザイン。
ノヴァ・シューズ と ラコステ・シューズ

この部屋には他にも動画が2つあるので、動画を全てみるだけで45分ほど掛かります。


最後。「4. 〈新国立競技場〉で目指すもの」
話題の新国立競技場に。最新のデザインスケッチなどが沢山。

新国立競技場 | JAPAN SPORT COUNCILに現在の完成予想図があります。


紆余曲折があり、コンクール案とは全く違った結果になっているのが残念なところです。
Zaha Hadid - 新国立競技場
新国立競技場|NEW NATIONAL STADIUM JAPAN でのコンクール案



以上、「ザハ・ハディド」展でした。ザハ建築の変遷はもちろん、ポストモダン建築とCGの関係など興味深い展覧会で満足度高し、オススメです。


「ザハ・ハディド」展
会期: 2014/10/18 − 2014/12/23(火)
場所:東京オペラシティー アートギャラリー 
所在:東京都新宿区西新宿3−20−2  » http://goo.gl/maps/RR228
公式サイト:ザハ・ハディド|東京オペラシティアートギャラリー 

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