『林檎いとしや』というエッセイをご存じですか?
老舗のアップル系情報サイト さんに掲載されているエッセイ集で、Mac一筋という人には、有名すぎるエッセイ集かも知れません。
『林檎いとしや』には、 2000年頃から書かれた120人超のエッセイがあります。アップル製品に深い関わりを持った人たちの出会いや転機を描いたエッセイで凄く興味深い人々に書かれています。
記念すべき Vol.1 は「新しもの好きのダウンロード」の早川さんだし、続くVol.2 は泣く子もジャンケンさせてしまうMacお宝鑑定団のdanboさん。後は 林檎いとしや のページをみていただくと分かるのですが一度は聞いたことある!っていう人ばかり。
MUGNETおよびワンボタンの声から山村さんに魚井先生、Macテクノロジー研究所 の松田さん、TMUGの山本先生、フォーカルポイントコンピュータの恩田さん、他にも大谷 和利さん、林信行さん、トリニティーの星川さん 、iPod Styleさんに、126回がスマートフォンドクター かずにぃ こと 内海さん。
で、今回 127回目に私 トブ の拙い文章を載せていただくことになりました。
これは MacTree の岸田さんに、林檎いとしやコンテンツ凄すぎる!と絶賛していたら「よかったら書いてみる?」とお声を掛けていただいたのが切っ掛け。僭越ながら 127回を務めさせていただきます。(だんだん大袈裟になってますか?)
それでは、林檎いとしや Vol.127 トブ を是非ご覧下さい。
私の分だけは そのまま貼らせていただく許可を得ましたのでこちらにも逆輸入で転載させていただきます。
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「これは凄い!」強く思った初めてのMacは、PowerBook 2400 だった。
とある大学の研究室に置かれていたそれは、いわゆるノートパソコンとは全く違う形状をしていた。四角い箱型しかなかった時代に大胆な流線型のボディ、特徴 的で意味ありげな形をしたトラックパッドのボタン。そしてブラックボディの中央には6色のApple ロゴ、まさに官能的なスポーツカーを連想させるプロダクトだった。ただ当時40万円超はとても出せる金額ではなく単に憧れのマシンだった。
Apple 製品を初めて購入したのは 2005年末、ビデオ再生が可能になった iPod 第5世代。最初は単に動画が再生できて、30GBものHDDに沢山の音楽を持ち運べるガジェット、そんな認識だった。しかし iPod と iTunes の組合せは単なる音楽再生プレーヤーではなく、好きだった曲を再認識させてくれた。学生時代に買い漁った大量のCDを Mac と iPod にコレクションし Rating することで、いつでも自分にとって最高のBGMを提供してくれる使い込むほどに切り離せない存在となっていった。
Apple の魔法に掛かってしまった私は、当時出版された『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』を読み、2006年2月に初めての Mac として iMac G5 を購入。iTunes の写真版ともいえる iPhoto に感激し、Boot Camp が発表されると即4月に Intel iMac へ買い替える。よくあるアップル・マニアの出来上がり。
2007年夏には PowerBook への憧れから MacBook Pro 15" を購入、同時にブログ『トブ iPhone』の前身をスタート、2008年1月に 字幕in を使った記事『ジョブズの卒業式スピーチを字幕で』で予想しない反響をいただくことになり、Apple系ブロガーとしての活動が大きくなっていく。
さらに2008年夏の iPhone 日本上陸に伴い、ブログ『Apple NOIR』 の Dark局長 とiPhoneユーザー会『iPhoneCUG』を発足、大阪にて隔月で開催することとなり2年が過ぎた。参加者やプレゼンターとして「そら案内」の itokさん、「i文庫HD」の浅田さん、「マギノート」のmagicaさんなど今をときめく iPhoneアプリ開発者に参加してもらい、ゲストとしては、フォーカルストア恩田英樹さん、テクノロジーライターの大谷和利さん、海外から iFixit のKyleさんにまでプレゼンを行ってもらうことが出来たのはなんという幸運だろうか。
今回『林檎いとしや』に寄稿させてもらうこととなり、あらためて他の人の『林檎いとしや』を読んだ。アップル製品に魅入られた人々 には、強く共感を感じる。アップルに興味を持った切っ掛けは人それぞれかも知れない。プロダクト・デザイン、ハードウェア・テクノロジ、ソフトウェア・イ ンターフェース、ドラマチックな歴史や関係する人物など。切っ掛けは些細なことだとしても、そこには何か要因が含まれているようにしか思えない。たしか スティーブ・ジョブズも Connecting the dots と言ってたっけ。。。
ここ数日、自分にとって思い入れのあるマシンを考えてみた。なかなか答えが出せないでいたが、ようやく答えが出た。自分の中にはま だない。いや先日発表され、その日のうちに銀座で入手した MacBook Air 11" が私にとって特別な一台になるのだと思う。だって MacBook Air 11" はあの PowerBook 2400の生まれ変わりに違いない、と私が信じているのだから。
2010年11月1日
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