2012年7月7日土曜日

MacBook Pro Retinaディスプレイモデルを20日使ってみた感想や気付き


WWDC 2012で発表された『MacBook Pro Retinaディスプレイモデル』。使い出して20日が経ちました。ここまで使ってみた感想や気付きをつらつらと。

届いた直後に書いたこちらの記事も参考になれば。
» MacBook Pro Retinaディスプレイモデルが届いた(開封・比較・移行編)
» Retina Macのディスプレイ解像度とアプリのRetina対応・非対応

WWDCのフィル・シラーのプレゼン画像を使って順に書いていきます。


MBP13"より軽く、Air同等に薄く


まずは軽さ。2.56kgから2.02kgと20%以上の軽量化。といっても2kg超なので気軽にモバイルするには向きません。でもMBP13"が2.06kgであることを考えても驚異的に軽くなっています。

次に薄さ。2.41cmから1.8cmと25%以上薄くなりました。MacBook Airの最厚部が1.7cm。今回USB 3.0が採用され今後Macでも普及していくと思うのですが、USB端子サイズに極限まで近づいた新しいMacBook Proがこれ以上革新的に薄くなることは当面はないのではないでしょうか。


近い将来に標準となるRetinaディスプレイ


Retinaディスプレイモデルといわれるくらいですから、注目はディスプレイに集まります。2880x1800と従来15インチモデルの縦横にそれぞれ倍に、合計4倍のピクセルが表示出来るように。

前の記事にも書いたように、システム環境設定から5つの解像度が選べます。アップルがRetinaディスプレイに最適とする1,440x900の推定解像度の他に4つ。


Retinaディスプレイで実質的な非解像度依存に

Facebookグループ「MacBook Pro Retina情報交換(購入者限定)」で購入者44人に常用している解像度のアンケートを採ったところ、1920x1200が14人、1680x1050が12人、1440x900が18人と割れました。用途に合わせて様々な使い方がされているということです。


個人的には前のMBP15"高解像度と同じ1680x1050が普段丁度よい表示サイズなのですが、iPhotoやApertureなど画像メインで操作部分は小さく表示されれば充分な場合には1920x1200を使いたくなります。

これまでMacやPCで望まれていた非解像度依存のOSがRetinaディスプレイで実質的に現実となりました。これはMacはもちろん、Windows機にも普及していくことは間違いないでしょう。5年後にRetina以外のパソコンは売ってるのでしょうか。


IPS液晶とカバーガラス除去

新しいMacBook Pro Retinaでは、ついにIPS液晶が搭載されました。現状望める最高の液晶です。従来液晶からコントラスト比29%向上、まさにRetinaディスプレイに最適な液晶が搭載されました。

また従来MacBook Proの液晶前面にあったカバーガラスがなくなりました。光沢液晶だと映り込みが激しく目が疲れやすいと過去に感じていて、選択出来る限り非光沢を選択していたのですが、カバーガラスがなくなったことでストレスを感じることはほとんどなくなりました。今回の液晶は眼精疲労を低減させ、発色を向上させる理想的な液晶だと思います。

またLED Cinema Display 27"を使わなくなりました。ハブとしても使えて便利だったのですが、今後Retina化するまで必要ないと感じているので近々売却を考えています。Retina Thunderbolt Displayの登場が非常に待ち遠しいですね。来年のWWDCで登場するのではと個人的に予想しています。


そしてRetinaディスプレイで将来的にどういう変化が起きるか色々と感じたことがありました。


Retinaによる写真の変化


MacBook Pro Retinaディスプレイ発表と同時にiPhotoとApertureがRetina対応しました。

これまで使っていたMBP15"高解像度だと、1680x1050で176万画素。つまり等倍で200万画素程度の写真しか表示出来ませんでした。27"のThunderboltディスプレイでも400万画素以下。


ところがMacBook Pro Retinaだと176万から500万オーバーに跳ね上がります。過去に撮った2000x1400程度の写真が、等倍表示してもフルスクリーンにならなかったのは衝撃でした。

そして今後 iMac 27"やThunderbolt Displayが同様にRetina化すると仮定すると、1500万画素以上の写真でないと等倍表示でフルスクリーン以上になりません。折角表示出来るのだったら最大限美しく表示したい。これから写真を撮る時は、1500万画素以上の写真を撮るようにしようと強く思いました。


動画に関しても写真と同様のことが起こると思います。1080pで撮った動画を等倍で表示しても基調講演の映像のように、一部しか表示されなくなります。



入手した翌日、Podcast「Photoralism」を配信されている写真家の荒木則行さん(荒木写真事務所)に実機をみてもらいました。主に中四国の風景写真をストイックに撮影されている方です。荒木さんも既にRetinaモデル購入を検討されているところで、現場で写真を確認するのに革新的なマシンだと判断されているようでした。


次世代のMacBook Proボディ


2008年10月にUnibody化したMacBook Proが発表されました。今回の発表まで3年8カ月。アップルは他社と比べてフルモデルチェンジの期間が長く、新しいMacBook Proのボディも3, 4年は使用されるのかなと思います。


新ボディではUSB3.0を始めとして、端子類の見直しが行われています。特にHDMIの採用には驚きました。TVに直接繋げるプロジェクターいらずのプレゼンが簡単にできるというのは非常に大きなメリットだと感じます。

 新ボディへの批判として、メンテナンス性が低いというものがあります。カスタマイズ好きには一部不評かも知れませんが、最新の技術を使えるようになるのが大事であって、一般消費者が手を入れたり出来ることとトレードオフでしょう。故障や不具合による購入者平均の運用コストが上がらないという条件付きではありますが。このあたりは故障率と故障コストがどうなるか様子をみてみたいところです。

Progress – Ole Begemann

今回採用された非対称ブレードを組み込んだ冷却ファンによる静音化も非常に効果的です。ファンが回り始めても今のところストレスに感じることもなく使えています。


デュアル・マイクについてはMountain Lion待ちですが、音声による入力や検索を見据えたAppleの意思が感じられます。


HDD運用からSSD運用に
ついにメインマシンもSSDになりました。最大500MBpsと従来HDDの4倍の速度です。実際に使っていてもファイルコピーの速さに驚きますし、待たされる感じがなくなりました。

一方、750GBあったHDDから500GBへのダウングレード。750GBでも一杯になりつつあったので正直1TBは欲しかったくらいです。ただ速さの恩恵とノースピンドルによりHDD故障のリスクはなくなりました。

現在では、割り切って自宅ではFireWire 800とUSB2.0対応のMy Book Studio 2TBにTime Machineバックアップと予備バックアップを、外出先では耐衝撃 スリム&ライト ポータブルHDD 1TBをコンテンツ用に持ち歩くことにしました。すでにUSB 3.0対応のポータブルHDD(Amazon)も沢山出ていて欲しいのですが、Thunderbolt対応機器の様子と同様にもう少し見守りたいと思ってます。


次世代のMacBook Proは買いか

新しいMacBook Pro Retinaディスプレイモデルについて、とりとめもなく書いてみました。

これまで4台のMacBook Proを購入してきましたが、最も満足度の高いモデルです。どうしても必要なアプリがRetina化できていない、金額的に厳しいというのでなければ素晴らしい選択肢になると思います。

特にRetinaディスプレイ。iPhoneのRetina化、iPadのRetina化の後なので予想してはいたのですが使うほどに感動があります。MacBook Proを触る時間が一番長い人には最高のデバイスだと日々感じています。

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個人的なことですが、この記事を書いている7月7日は初めてMacBook Proを購入した日で、当ブログを開設した日でもあります。あれから5年、MacBook Proの進化には本当に驚かされます。