2020年4月5日日曜日

スティーブ・ジョブズとの知られざる関係、ディズニー帝国をつくったロバート・アイガー自伝を読了

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前ディズニーCEO、ロバート・アイガーによる自伝本『ディズニーCEOが実践する10の原則』を読了しました。

2月にCEO退任したロバート・アイガーは、帝国とも呼ばれるまでにディズニーを繁栄させたCEOです。下は ”世界の映画興行収入歴代トップ10” ですが、8本がディズニー陣営と、強さの一端を示しています。



ディズニーCEOが実践する10の原則』は、ABCでの出世とディズニーによる買収と後継者選び、ディズニーCEOとしてピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、21世紀フォックスの買収劇が描かれています。

個人的に興味があったのは、ピクサー、とくにスティーブ・ジョブズとの関わりでした。
昨年出版された本『PIXAR』では、ピクサーCFOの立場からディズニーによる買収を描いていましたが、今回は反対にディズニーCEOがみたピクサー買収の経緯とロバート・アイガーの人物像が興味の対象でした。


スティーブ・ジョブズとディズニーの関係
1995年公開のトイ・ストーリー、株式公開の成功により、ジョブズ率いるピクサーはディズニーとの契約の見直しを迫りますが、当時のディズニーCEOマイケル・アイズナーは拒否。この確執がアイズナーCEO更迭の原因ともなります。

アイガーがCEO就任する2005年3月では、就任報告に対するジョブズの対応は非常に素っ気ないものであったことが描かれています。


ビデオ iPod によるジョブズとの関係修復
 


CEO就任直後のアイガーは難航が予期されるピクサーとの契約交渉は後回しにして、手始めにアップルの iTunes にディズニーや傘下ABCのドラマを配信する提案を行ったことが書かれています。

そのときジョブズは発表前の iPod 第5世代(初めての動画対応 iPod)をこっそりみせて、発売したらテレビ番組を提供できるか尋ねる場面があります。

実際、2005年10月の ビデオ iPod 発表会ではロバート・アイガーが登壇、テレビ番組提供を発表しています。CEO就任から僅か7ヵ月でジョブズとの関係修復を行ったアイガーの手腕がよく分かる一例です。


ピクサー買収と直前のジョブズの告白、ジョブズ埋葬のあと
ジョブズとの関係をつくったアイガーは、課題のピクサー問題解決案としてディズニーによる買収を提案。ピクサー文化を壊さないことを伝えて買収案をまとめます。

この本には2006年1月、ピクサー買収発表直前に起きたジョブズの行動が書かれています。
公式発表直前、ジョブズはアイガーを散歩に誘い、自身のガン再発を告げます。ディズニーの最大株主で取締役になる発表をする前に伝えておきたかったとのこと。独善的といわれるジョブズとは違った一面が描かれています。

またこの話には後日談があります。ジョブズの妻ローレンによると、買収発表日の夜、ジョブズがアイガーを「すごくいい奴だ」といっていたのだそう。


その他のジョブズ話
他にもいくつかジョブズについての話が触れられていて、アイガーにとってジョブズが非常に大きな存在だったことが伺えます。
・ディズニーのお手頃なホテルをジョブズに案内したときの辛辣な意見。
・マーベル買収について、コミックブックはビデオゲームより嫌いなんだ。
・アイアンマン2の辛辣な評価。ジョブズ「最低だな。」
・ディズニー株主総会への取締役への反対票。のちアイガー説得で撤回。
・マーベル買収交渉時、マーベルに電話してアイガーが信頼できる人物であると伝えたこと
・アイガーの依頼に対して、友だちだと思ってること。


以上、ABCの雑用から41歳でABC社長、のちディズニーCEOとして帝国を築いた人物による自伝本『ディズニーCEOが実践する10の原則』でした。

未読の人は、是非ピクサー社CFOが書いた『PIXAR』もどうぞ。
ジョブズがどのようにディズニーと交渉し、ピクサー売却を進めていったかが分かる本です。

 



プロローグ
第1部 学ぶ
第1章 下っ端時代
第2章 大抜擢
第3章 首位奪還
第4章 ディズニー入社
第5章 ナンバーツー
第6章 内紛
第7章 後継者選び
第2部 導く
第8章 最初の一〇〇日
第9章 ピクサー買収
第10章 マーベル買収
第11章 スター・ウォーズ継承
第12章 イノベーションか、死か
第13章 正義の代償
第14章 未来への布石
付録 リーダーの原則
謝辞
訳者あとがき 


2020年3月20日金曜日

ジョブズが愛した禅僧はどんな人だったか。書籍「宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧」4/23発売




スティーブ・ジョブズの師であった禅僧 知野弘文についての書籍「宿無し弘文 スティーブ・ジョブズの禅僧」が4月23日に発売されます。


アップルの創業者スティーブ・ジョブズが若いころ、精神的な求めを追い続けたことはよく知られています。

当時流行のヒッピー文化に傾倒し、大学を中退してインドを放浪。そして同時期に禅宗への関心を深めるのですが、そのとき出会ったスティーブ・ジョブズ生涯の師ともいえる人物が「知野 弘文(のちに乙川弘文)」です。


ジョブズとの関係としては、NeXT創業時に弘文をNeXTの宗教指導者に任命したり、ジョブズの結婚式を司ったとされています。



著者の柳田由紀子さんは、2012年、雑誌 kotoba での連載「スティーブ・ジョブズが愛した僧、乙川弘文」で素晴らしい記事を書かれていました。
*参考:「スティーブ・ジョブズが愛した禅僧、乙川弘文」が季刊誌「kotoba」で連載中(集英社・柳田由紀子)

有名な禅僧と聞くと達観した人物を想像しがちですが、まったく違った自由奔放で批判されることも多い人物だったようで衝撃的な記事でした。


宿無し弘文」は4月23日、集英社インターナショナルより出版です。

     

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2020年3月19日木曜日

伝説の「Think different」キャンペーン日本責任者による本が3月21日(土)発売




アップルの広告「Think different.」。

優れた広告が多いとされるアップルの歴史の中で、初代Macintoshが発表されたときのCM「1984」と並び賞される広告キャンペーンのスローガンです。

Crazy Ones "Think different" Apple (Japanese) - YouTube



「Think different」キャンペーンでは、ヒーローとされる人物だけの巨大な看板広告を街中に掲示しています。日本人では三宅一生、盛田昭夫、黒澤明、手塚治虫などが選ばれています。


3月21日に発売される書籍『Think Disruption アップルで学んだ「破壊的イノベーション」の再現性』は、当時、アップル日本法人でマーケティング部長だった河南順一氏による本です。


以下、amazonの商品説明より抜粋。
スティーブ・ジョブズやケン・シーガルのもとアップルの伝説的クリエイティブである「Think different」キャンペーンを仕掛けた日本責任者が初めて明かす!ビジネスにおける不可能を可能にする「圧倒的戦略」と「革新的ビジョン」とは――。

ジョブズと広告をつくったことで知られる「Think Simple」のケン・シーガルは帯で次の様に書いています。
スティーブ・ジョブズが実践した「ディズラプションというアート」を学ぶための最適なメンターが河南だ。圧倒的な競争優位性の確立を目指す全ての人たちへの必読書


書籍発売と同時に Kindle版 でも読めるとか。楽しみな一冊です。

    



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