スティーブ・ジョブズの死後まもなく出版された本人公認の伝記「スティーブ・ジョブズ」の出版から13年。
当時は偉大なカリスマの死にマスメディアがこぞって注目しましたが、とりわけ公式伝記では生い立ちや、身近な人のインタビューなど、それまで語られなかったことが書かれており世界的な大ベストセラーになりました。
闘病生活だったジョブズが亡くなることを見越して世界同時発売を予定されていたことや、ジョブズ逝去で出版予定が前倒しになったことから、翻訳作業が必要となる日本では出版に際して大変な苦労があったようです。
本書『「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋』の著者 井口耕二さんは、この本だけでなく、同じ著者ウォルター・アイザックソンによるイーロン・マスク伝記の世界同時発売でも翻訳をされた人物。
もともと沢山のジョブズ本を翻訳された人でご存知の方も多いと思いますが、個人的にも何度かご一緒させていただいており、今回先行で読ませていただきました。
東京大学卒でフィギュアスケートの全日本選手、留学ののち、育児のため退職してフリーランスの翻訳家に、という非常に変わった経歴をお持ちです。
この本は次の3章立てです。
第1章 『スティーブ・ジョブズ』翻訳の舞台裏
第2章 出版翻訳者の仕事部屋
第3章 出版翻訳者の「塞翁が馬」人生
個人的に、第1章では「あのとき、そんなことが起こってたのか!」という当時の状況を思い出しつつ、
第2章では、出版翻訳という仕事がどんなものなのか、学生時代の英日翻訳とはまったく異なる苦労を知り、
第3章では、井口さんが変わった経歴となる出来事、そのときどきの判断が興味深いエピソードと共に語られていて、ぶっ通しで読み終えてしまいました。
ベストセラー「スティーブ・ジョブズ」の世界同時発売の裏側、出版翻訳というものがどんなもので翻訳者が目指す翻訳とはどんなものか、変わった経歴の裏にはどういうことがあったのか、興味を持った方はまずAmazonでサンプルを