2014年1月5日日曜日

書籍「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」読了、アマゾンの特異性と読みどころ(1月9日、日経BP社)

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Amazon CEOのジェフ・ベゾスが腎臓結石でガラパゴスから運ばれたというニュースが話題になっていますね。» Jeff Bezos evacuated off Galapagos for kidney stones - CNN.com


日経BP社より1月9日(木)発売の書籍『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』をいただき、読み終えました。

決算でみるAmazonという会社の特異性
アマゾンという会社を知らない人はいないと思います。しかし、 決算内容からアマゾンの特異性に注意している人はどれくらいいるでしょう。

アマゾンは2012年の年間売上高は610億ドルを超え、直近の決算報告から20%以上伸びています。しかしながら、過去ほとんどの四半期で純損失を出しています。

» ニュース - Amazon.comの2013年Q3決算、売上高が24%増加、赤字が縮小:ITpro
第3四半期(7~9月)の決算は、売上高が170億9200万ドルとなり、 前年同期の138億600万ドルから24%増加した。純損失は4100万ドル(希薄化後1株当たり損失は0.09ドル)で、前年同期の純損失2億7400 万ドル(同0.60ドル)から縮小した。また営業損失は2500万ドルで、前年同期の営業損失2800万ドルから縮小した。

すでにインターネットの小売りでは圧倒的な強さを誇ってると思われるアマゾンなのに損失を出し続けているのです。また同ニュースから。
売上高は市場の予測を上回ったが、同社は引き続き投資を拡大しており、営業経費が売上高と同じ割合で増えた。当期の営業経費は171億1700万ドルで、 このうち売上原価、物流施設、マーケティング、技術基盤やコンテンツにかかる費用がいずれも増加した。とりわけ、物流施設の費用が前年同期から35%増、 技術基盤やコンテンツの費用が同46%増と大きく増えている。

売上げ利益以上に物流や技術の革新に投資し続け、2015年には売上高1000億円を超える史上最短記録をつくろうとする、従来型の小売りとはかなり異なる会社です。


そしてそのアマゾンの方針を決めるたった一人の人物が、書籍『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』の主人公でもあるアマゾン創業者ジェフ・ベゾスです。


本「ジェフ・ベゾス 果てなき野望」の読みどころ

以下、発売前にネタばれしない程度に、個人的に付箋を付けていた部分から箇条書きしてみます。これらに興味がある人はぜひ本書をどうぞ。
  • Jeff Bezosの姓の読みは「ベイゾス」(すでに日本アマゾンでもベゾスと表記)
  • アマゾンは現実の店舗を持つ可能性について検討を続けている
  • 書籍の次に展開する製品カテゴリー選びについて(1998年)
  • 最初の資金調達が終わったGoogleに対してのベゾス個人の強引な出資
  • アマゾンの中核価値(顧客最優先、倹約、行動重視、オーナーシップ、高い採用基準、そしてイノベーション)とその意味
  • アップル取締役ビル・キャンベルがアマゾン取締役会の裁定役に
  • ジェフ・ベゾスのヘリコプター事故
  • 物流システムの再構築(フルフィルメントセンターとは)
  • 物流はアマゾンにとってコモディティかコアコンピタンスか
  • 意見書はプレスリリース形式で6ページ以内に
  • 迅速配送クラブとしてのAmazonプライムと効果
  • パロアルトへのA9.comいう技術研究所
  • 「スティーブ・ジョブズの失敗」をくり返したくない(by ベゾス)

この本を読んで、世界で売買されている全てのものに対して、アマゾンは常に効率的なやり方で参入する方法とメリットを検討しているのではと感じました。さらに冒頭に書いたように利益は二の次。

本の中には、アマゾンの登場により大きな犠牲を払ったり、方向転換を余儀なくされた会社が出てきます。高級ブランドのナイフの値引きと取引停止、紙おむつ市場で先行していたダイアパーズ・ドット・コムへの敵対的な値引き競争と買収など。


書籍『ジェフ・ベゾス 果てなき野望』時代を象徴する会社を知るとともに、松井博さんの「企業が「帝国化」する」を思い出すような怖さを感じさせてくれる興味深い本でした。


ちなみに帯をみると、フィナンシャル・タイムズ紙とゴールドマン・サックス共催「ビジネスブック・オブ・ザ・イヤー2013」受賞の文字。

1月9日出版、Kindle版も同時発売です。

  

同じ日経BPから出ている「ワンクリック」もKindleで読んでいたので比較的深く読めたと思います。興味が湧いた人はそちらもどうぞ。


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