アップルが 4月29日、『Thoughts on Flash』というAdobe社のFlashに関する公式見解をSteve Jobs名義で発表しました。
内容は長文です。以下、拙いですが要約です。間違いなどのご指摘は @tobu1 までお願いします。
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・アップルとアドビは長い間協力的な関係だった。
・iPhoneやiPadにおけるFlashについて説明したい。
・アドビは、Flashはオープンで、AppStoreはクローズだといってるが反対だ。説明したい。
1. 『オープン』
・Flashもアップル製品の一部もオープンとは言えない。しかしウェブはオープンでなければならないと強く信じる。アップルはFlashよりHTML5を採用する。HTML5はオープンだ。
2.『全てのウェブ』
・アドビはFlashを採用しないと全てのウェブ、特にビデオが閲覧できないといってるが、より最新のフォーマットなどで iPhone や iPad で閲覧可能になってきている。
・Flashゲームができないというのは真実だが、AppStoreには沢山のゲームがあり、無料のものも多い。
3.『信頼性、セキュリティ、パフォーマンス』
・Symantec社は2009年、最もセキュリティの低いものの一つとしてFlashを上げた。Macをクラッシュさせる大きな原因にもなっていて、iPhoneやiPadにFlashを加えたくない。
4. 『バッテリー』
・動画再生にはデコードが必要だが、多くのチップには H.264 と呼ばれるデコーダーが採用されていて、それは業界標準である。
・iPhoneでは Flashに比べ純正のH.264 デコードを行った方がバッテリーに良い。
・ウェブがH.264採用すると、SafariやChromeのプラグインが必要がなくなる。
5.『タッチ』
・Flashは、指を使うタッチスクリーンではなく、マウスを使うPC向けにデザインされている。
・Flashで多用されている「ロールオーバー」はマルチタッチでは使えなく、タッチベースの機器では書き直されなければならない。
6. 『最も重要な理由』
・我々はサードパーティのレイヤーによる苦痛を知っている。
・サードパーティーのライブラリやツールに頼る状況は、いずれ整合性がとれなくなる。
・最大公約数的な特徴しかサポートしないクロスプラットフォーム開発キットはもっと悪くなる。
・Flashはクロスプラットフォーム開発ツールであり、素晴らしいiPhone及びiPadアプリを書く助けをするのがアドビのゴールではない。
・アドビはアップルのプラットフォームへの対応が非常に遅かった。MacOSを出して10年になるが、アドビはようやくCS5でココアに完全移行した。
・動機はシンプルだ。我々は最も進んだプラットフォームを開発者に提供したい。最も優れたアプリがあってよりデバイスが売れる、さらに市場が大きくなり顧客は喜ぶ。
結論
・FlashはPC時代に作られたもので、大成功したことは理解している。しかしモバイル時代は低電力デバイスでタッチインターフェイス、オープンなウェブ標準な時代だ。
・Flashはもはやビデオや他のウェブコンテンツをみるのに必要ではない。App Store の20万のアプリが証明している。
・モバイル時代の新しいオープンスタンダード、HTML5のような、はモバイルデバイスで勝利するだろう(PCでももちろん)。おそらくアドビは、アップルを非難するより、素晴らしいHTML5開発ツールに集中するべきだろう。
スティーブ・ジョブズ
2010年4月
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以上、拙いながらの勝手要約でした。
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