2008年10月28日火曜日

本: インタビュー満載 『マッキントッシュ誕生の真実』

このエントリーをはてなブックマークに追加  


Macintosh誕生の当事者たちによるインタビュー満載の本。

この本の著者は『林檎の樹の下で―アップル日本上陸の軌跡』と同じ斎藤由多加氏。1996年発刊の『マッキントッシュ伝説』を2003年に改訂復刻したもので、復刻時にこちらをマッキントッシュ伝説1、林檎の樹の下でをマッキントッシュ伝説2とサブタイトルにされています。

目次

第1章 パーソナルコンピュータの黎明

 スティーブ・ウォズニアック
 ジム・ウォーレン
 レジス・マッケナ
 
第2章 インターフェイスの誕生
 ダグラス・エンゲルバート
 アラン・ケイ
 ジェフ・ラスキン
 
第3章 新世代機種 Lisa & Macintosh
 ジョン・カウチ
 ジョアンナ・ホフマン
 ビル・アトキンソン

第4章 青い目のマック、日本帰化への道
 ジェームス・比嘉
 ケン・クルグラー
 大河内勝司

本書は上記のように12人のインタービューがほとんどの内容を占めていて、各章の冒頭にその導入部分となる当時の背景などが書かれています。

12人の超簡単な紹介

スティーブ・ウォズニアック (Steve Wozniak)
 説明不要?Apple の創業者で Apple II 制作者
ジム・ウォーレン (Jim Warren)
 Apple II 初公開の West Coust Computer Fair の主催者
レジス・マッケナ (Regis McKenna)
 Apple の広告およびマーケティング会社
 
ダグラス・エンゲルバート (Douglas Engelbart)
 マウス発明者、ハイパーメディアの父
アラン・ケイ (Alan Kay)
 Dynabook 提唱、パーソナルコンピュータの父
ジェフ・ラスキン (Jef Raskin)
 Macintosh という名前と概念を提起

ジョン・カウチ (John Couch)
 Lisa プロジェクト・リーダー
ジョアンナ・ホフマン (Joanna Hoffman)
 Mac開発主要メンバー、マルチリンガルで貢献
ビル・アトキンソン (Bill Atkinson)
 MacPaint, HyperCardの作者

ジェームス・比嘉 (James Higa)
 漢字Talkプロジェクト・リーダー
ケン・クルグラー (Ken Krugler)
 漢字Talk開発
大河内勝司 (Katsuji Ohkouchi)
 日本語OS(後のSweetJAM)開発

印象的だった部分

P35 Wozniak「私の生涯で最高の仕事はフロッピーディスクドライブだと思っています。2番目がApple IIです。」

P88 Regis McKenna (コンピュータは安くなるべきかという問に)必ずしもそうではないでしょう。例えば、「これからパソコンを買うにはどの機種がいい?」なんて質問は数えきれないくらい受けたでしょう。でも「ペプシとコークとではどっちがいい?」なんて相談する人はいない。つまりコンピュータを買う人は車を買う以上に慎重なんです。安全を求めているんです。慎重である消費者に安いことは必要条件ではない。

P102 Douglas Engelbart 「もし今日、ここまでマウスが必需品になるとわかっていたら、みんなはもっと威厳のある名前をつけたいと言ったに違いありません。」

P205 Bill Atkinson「アンディはMacintoshのシステムソフトウェアの中心的なリーダーでした。スティーブ・キャップス、ブルース・ホーンといった人がチームのマネージャーをやっていましたが、アンディこそが、このチームをひとつにまとめ、統合していった張本人ですよ。非常に重要な役割を果たしたと言えます。」* 参考 本: レボリューション・イン・ザ・バレー(追記)

マッキントッシュ伝説1 マッキントッシュ誕生の真実




アップル関連書籍のエントリ

本: レボリューション・イン・ザ・バレー(追記)
本:マッキントッシュ物語 -僕らを変えたコンピュータ-
The Apple Way、本: ジョブズはなぜ天才集団を作れたか
本: 林檎の樹の下でーアップル日本上陸の軌跡
本: iPodをつくった男
Appleの文献を書くために読む本

過去の記事一覧