今回は続編として、キーボードおよび Newton、iPod、iPhone などで使用されたフォントを取り上げたいと思います。
(*2011年4月に記事およびタイトルを一部修正・加筆しました。)
Univers
1984年のApple IIc以降、最近までキーボードのフォントとして使用されたのが「Univers」です。Universの作者はAdrian Frutiger、そうMyriadのもとになったFrutigerを作った人がデザインしたフォントです。
実際に使用されていたのはUnivers 47 Condensed Light Obliqueになるでしょうか。さっぱりした清涼感のあるフォントで、よくぞ斜体を選んだと思います。
VAG Rounded
代わって 最近キーボードに使用され始めたのが「VAG Rounded」。MacBook, MacBook Pro そして新型のデスクトップ用キーボードにも採用されました。VAGはVolkswagen AG(株式会社に相当)の略で、フォルクスワーゲンのフォントとして作られたようです。
ちょっと手書き感のあるフォントです。Myriadとの相性で選ばれたのでしょうか?個人的にはUnivers、さらには写真でみた小文字Ver.が一番好みですね。
Gill Sans と Chicago
Newtonでは「Gill Sans」を使用しています。Macintoshとは違うブランドとして期待されていた証でしょうか。そしてNewtonの再来を期待されていたが実は音楽プレーヤだったiPodはMacintoshから「Chicago」を拝借します。iPodの登場時のロゴは当時のコーポレートフォント「Apple Garamond」でしたから、スカリーとジョブズのブランド戦略の違いが伺えます。
Podium Sans と Helvetica
写真対応となった第4世代の iPod からは、なめらかなフォント「Podium Sans」を使用しています。iPod nano だと日本語だけ粗くなる(執筆当時)のが残念なんですよね。
そして期待のiPhoneでは「Helvetica」が随所に使用されているようです。これには少し驚きました。視認性と情報量を両立するためでしょうか?
関連リンク:
トブ iPhone: Appleのタイポグラフィ
トブ iPhone: HelveticaとArialの違いって分かりますか?
参考本:
アップルデザイン―アップルインダストリアルデザイングループの軌跡
Macintosh的デザイン考現学―アップルプロダクトと世界的デザインの潮流を探る